30センチ後ろの特等席









佐藤くんが、こっちを振り向いた。

そして、初めて──目があった。




その瞳は夜空みたいに静かで、綺麗で、ただただ美しくて。

でも、少し照れた様に揺れている。















「俺、昔から口下手で、上手く話せなくて。周りの人からも、……何考えてるの?とか、怖い、とか言われちゃう、し」














恥ずかしそうに視線を泳がせる佐藤くん。



彼の優しさを知らない人達から、彼がそんな風に言われてしまっている事が悲しくて、悔しい。







その反面、そんなに大切なことを打ち明けてくれて……嬉しい、なんて。



そう思ってしまう私は、ずるい人なのかな……?