クラスで一番無口な佐藤くんは、実は背中でよく喋る。
冬の席替え、私は彼の真後ろの席になった。
窓際の、一番後ろ。
暖房がギリギリ当たらない、少し寒い席。
「佐藤くんって、何考えてるか分かんないよね」
「だよね! イケメンなのに勿体ない〜」
「それなー!」
休み時間、女子グループがそんな風に噂しているのを私は聞くともなしに聞いていた。
確かに、彼は喋らない。
朝の挨拶も首を竦めるだけだし、授業中もずっと前を向いたまま。
もしくは机に突っ伏して眠っている。
中心にいる人達から見れば、彼はきっと『退屈な男の子』なのだろう。

