初恋メビウス~先に好きになったのは私です~

 出会ってからずっとそばにいてくれたランは、リアラを絶対年上扱いしない。いつも、
「年がわからないから婆様は十六歳くらいだろうって言ってたけどさ、実は老けた十二歳だろ? いや。三歳児より手間がかかるから、実は図体だけ育った十歳かもしれないな」
 なんて、常々リアラに言い続けていたのだ。
 口は悪いけれど、面倒見がいいラン。リアラにとってランが、時折兄のようでもあったのは否定できなかった。

(でも、三歳どころか七歳も年上だったなんて。さすがに申し訳ない気持ちでいっぱいだわ)

 見知らぬ土地で、十六歳のリリとして過ごした一年。
 赤子のように周りに手を焼かせながら、炊事も洗濯はもちろん、掃除や畑仕事など様々なことをした。
 年の近い女の子たちとはコイバナにだって花を咲かせた。
 記憶がないリアラの答えはいつも同じ。

「絶対年上! がっちりしてて強くて、眼鏡をかけてて、あとは一人称は俺じゃなくて私ね」

 夢の中に出てくるのは、夢の世界にしかいないであろう程完璧な理想の男性。
 それが分かっているから女の子たちは、好き勝手に夢の王子様像を言ってはキャッキャと盛り上がっていた。男の子達には白い目で見られたが、向こうは向こうでセクシーでかわいい女の子像を語っていたのでお互い様だ。