寂しがりな君には真っ赤な果実をあげる

彼を見つめながらそんな気持ちに浸っていると、また、さっきの、何かを言い淀んでいるような顔になった。



こちらをちらちらと見やり、物欲しそうに吹き具を咥え、再びシャボン玉を放出する。



「もも?」



再び、促すように名前を呼ぶと、溜め込んだものを吐き出すか迷っているみたいに、吹き具を食むようにして何度も角度を変え、やがてペッと吐き捨て、私に微笑んだ。



いつもの可愛らしさに、悪戯を思いついた子のような憎たらしさを中途半端に混ぜ合わせたような表情。



ももがどんなに下らないことを言っても、笑ってあげようと思った。



「柘榴は、今日、何してた?」



ももはそっと自身の爪をなぞりながら、決心した様子で尋ね、期待と不安の籠った顔で私の顔を見入る。



「今日は、ずっと大学でサークルだったよ。……ももは?」



「僕はねー、今日のお昼ミキちゃんと遊んでたよ」



私の問いに、待っていたと言わんばかりに、悪い子を演じるような憎たらしい、でもぎこちない表情をして、口を尖らせる(悪戯をしたときのももの癖である)。



どうやら、私を嫉妬させたいらしい。



うーむ、それにしても、やり方が幼くて、率直に言うと下手くそだ。



そこら辺の男子中学生でも、もっとましなことを言って、恋人の不安を引き出せるだろう。



そして、それを口実に、お互いにどれだけ愛しているか証明し始めるのだ、作り出したばかりの不安を埋め合わせるように。



私は、ももの幼いところは好きだけれど、こんなことで心を揺さぶられると思われているのが、彼の幼稚な世界の住人にさせられているのが、僅かに、気に触った。



いや、私はただ、結局のところ、可愛いももを苛める口実が手に入って、嬉しかったのだ。



背徳の予感で、顔が少しだけ強ばるのがわかる。私はもものおふざけに乗ってあげようと思った。