親友の部屋でスクリュードライバー

 悔しいのか哀しいのかわからない。
 でも、私はゴマをするなんてできない。まちがってることや、もっといいアイデアがあるのに、それを隠してあなたが正しいなんて言えない……。
 不器用なんだろうか?
 女なんだから、仕事なんて適当に、さっさと嫁にでも行ってしまったほうがいいんだろうか?

「そう言われたの?」
「ま、ね」

 いつか誰かと結婚しても、仕事は続けたいって思ってる。
 でも、このままじゃ逃げ出してしまいそうな自分がいやだ。

「はい、どうぞ」

 サキがコトンと、ローテーブルにグラスを置く。
 そこにはなみなみとオレンジの液体が入っていた。

「食後にオレンジジュース?」
「ま、飲んでみてよ」

(ニンニクの利いたパスタだったから匂い消し? ん? それはりんごジュースだっけ?)

 そんなことを考えつつ、のど越しのいいオレンジジュースをこくりと飲んでみる。

(あれ? でも、これお酒……?)

「ん、そう。スクリュードライバーだよ」

 そう言ってサキはにっこり笑った。

「スクリュードライバーの別名って知ってる?」

 乾杯しながらサキが言った。