モテ過ぎる私の上司のお話



そう思ったら、胸の奥がじくじくと傷んだ。

そんな痛みは見なかったことにして、悟られないように少しだけ後ろを歩いていく。


カフェを出てすぐの信号。
並んで立ち止まり、赤信号を待っていると



「俺、結構諸星のこと可愛がってるつもりなんだけどなぁ……」


隣から聞こえてきた、か細い声にパッと反応して顔をあげる。
そこには意味深な笑みを浮かべる小川さんがいた。




「お、小川…さん」

「なーに?諸星」




こっちを見つめてくる瞳が居た堪れなくて、あたふたしちゃうけどぎゅっと力をこめる。




「あの、それって……!」

「あ、ほら、行くよー」




すぐに青になった信号。
色々舞い上がっちゃって動けなくなった私の手首を自然と掴んで引いてくれるこの人には、きっと一生勝てない。









〜fin〜

気まぐれです( *´꒳`*)