(信じられないぐらいモテるんだろうなぁ〜)とは分かっているけど、本人に言うのはなんだか癪だ。
「……ハァ」
「そのため息はなに!?……え、諸星(モロボシ)怒ってる?」
「別に怒ってません」
「いやいや、怒ってる顔でしょ」
会話を遮るようにカップを持って口に運ぶと、少しだけ冷静になる。
そもそもこの人、自分が女性からどう見られているのかわかった上で行動しているのだ。
今回、連絡先を貰ったことも「久しぶりだなぁー」ぐらいにしか思っていないはず。
……余裕なのが悔しい。でも勝てない。
小川さんに勝てるものなんて私はひとつも持てていない。
さっきより、より一層難しい顔をする私を不思議そうに覗き込む小川さんは「あ、もしかして諸星」なんて何かに気づいたみたいに声を上げた。



