放課後、僕らは地獄で結ばれる

みんながバタバタと帰っていく中。
僕は1人、先生を待っていた。
「ごめんなさい、待たせてしまったわね。」
数分後先生が入ってきた。手には名簿を持っていて、今日の出席が書かれていた。きっと仕事の途中で抜け出してきたのだろう。胸ポケットにはいつもは刺さっていないシャーペンとマーカー。鼻まである長い前髪はピンでとめてある。
でも、表情は相変わらず聖母スマイルだ。
「あんたさ、本性それじゃないんだろ?」
問うと先生ははぁとため息をうち、
「そうね。もう誤魔化してはいられないわね。小学生を舐めていた私が悪かったわ。これが私の本性よ。」
顔からは聖母スマイルが消え、この世を全て恨むような氷の目。あのとき給食の事件のときに一瞬見せた表情だった。
「幻滅したでしょう?ウザイ先生が実はこんなに冷たい人だったなんて。でもね学校ではこのような教師にならないといけないの。あのためにはね。だから今日のことは忘れなさい。」
先生が僕の目を見て言う。先生の目には何も映っていなかった。何故だか心の奥がチクチクしてきて、
「なぁんだそんな顔も出来るんだ。僕はあの聖母みたいな姿は大嫌いだね。今の顔のほうがよっぽどいいや。」
先生はしばらく迷ったあと、
「ごめんなさいね」
と優しく僕の頭をなでてくれた。僕も抵抗せずに受け入れた。