瀬尾君は、私が逃げられないよう、がっちり、腕を組み出口に進む。


「待っ…!」


「宮森!!」


後ろから声を掛けられ、振り返ると、瀬尾君も、足を止め先生を見た。


「…気を付けるんだぞ。」


車に?瀬尾君に?
どっちともとれる言葉だった。


先生、笑ってるけど、目が笑ってない気がする。


「先生、大丈夫。俺がいるから。」


瀬尾君に気を付けてって意味だったら、その言葉、フォローになってないよ。瀬尾君。


そして、瀬尾君は、私の抵抗むなしく、私を引きずるように教室を出てしまった。


痛いほど、先生の視線を感じる。


せっかく、先生と、いい雰囲気だったのに(泣)。