まっすぐに見つめられ、覚悟を決めて口を開く。
離婚の経緯、駿介のモラハラ、親権をめぐる争い、私には両親がおらず頼れる人がいなかったこと、離婚後に社内に流れた根も葉もない噂……。
これまでのことをかいつまんで説明すると、課長は「なるほど」と息を吐き出した。
「沢辺が親権を主張したのは、中里への嫌がらせだったんだろうな」
「……はい。私から離婚を切り出されたことが、許せなかったんだと思います」
駿介は社交的で外面はいいけれど、実はプライドが高く身内には高圧的な人だった。
「私は結婚している間、駿介から『お前なんて価値がない』『出来損ないの母親に花音を育てられるわけがない』と、毎日のようにののしられていました。離婚を切り出した時は、精神的にもかなり不安定になっていて……」
当時の記憶がよみがえって喉が詰まる。
ひとりきりでアパートを借り、孤独に耐えながら暮らしていた日々。週末に会った花音に『ママといっしょがいい。パパのところにかえりたくない』と抱き着かれ、なにがあっても絶対にこの手を離したくないと思った。花音を取り戻すためなら、なりふり構っていられなかった。
離婚の経緯、駿介のモラハラ、親権をめぐる争い、私には両親がおらず頼れる人がいなかったこと、離婚後に社内に流れた根も葉もない噂……。
これまでのことをかいつまんで説明すると、課長は「なるほど」と息を吐き出した。
「沢辺が親権を主張したのは、中里への嫌がらせだったんだろうな」
「……はい。私から離婚を切り出されたことが、許せなかったんだと思います」
駿介は社交的で外面はいいけれど、実はプライドが高く身内には高圧的な人だった。
「私は結婚している間、駿介から『お前なんて価値がない』『出来損ないの母親に花音を育てられるわけがない』と、毎日のようにののしられていました。離婚を切り出した時は、精神的にもかなり不安定になっていて……」
当時の記憶がよみがえって喉が詰まる。
ひとりきりでアパートを借り、孤独に耐えながら暮らしていた日々。週末に会った花音に『ママといっしょがいい。パパのところにかえりたくない』と抱き着かれ、なにがあっても絶対にこの手を離したくないと思った。花音を取り戻すためなら、なりふり構っていられなかった。



