バツイチだけど恋をしてもいいですか

 掲示板を通じてやりとりをしていた女性が中里だったと知り取り乱してしまったが、不審に思われなかっただろうか……。

 まぁ、中里の口ぶりだと、回答を書いているのは祖父だと思っているようだ。

 冷血な上司と恐れられている俺が、こんな小さなスーパーの掲示板に寄せられる相談に、一枚一枚返事を書いているなんて夢にも思わないだろう。

 そんなことを考えながら、彼女が書いた文章に目を通す。

【以前相談した鬼課長ですが、最近話す機会が増えて少し印象が変わりました】

 その一文に「この鬼課長って、俺のことか……」とつぶやく。

 あいつ、俺のことをそんなふうに呼んでいたのか。

 思わず顔をしかめたけれど、俺に名前を呼ばれるたびに『ひっ』と跳び上がる中里を思い出し、寄せた眉が自然と緩んだ。

 緊張した表情でこちらを見上げる中里は、獣に睨まれた小動物みたいだった。

 それに引き換え俺は高圧的で無口で……、鬼課長と恐れられて当然だ。

 そう納得しながら、【少し印象が変わりました】という文章から目が外せなくなる。彼女はこれを、どういう意図で書いたんだろう。