バツイチだけど恋をしてもいいですか

 その女性からの文章を読むうちに、こんなにも真面目で一生懸命なのに、理解者がひとりもいないなんて理不尽すぎると憤りを感じるようになった。

 彼女の心が少しでも軽くなるように、そんな願いを込めて言葉を選んでいる自分に気付く。

 名前も顔も知らない他人にこんな気持ちを抱くなんて、自分らしくない。

 そう思いながらも、その母娘からの投稿を心待ちにするようになっていた。

 その彼女がまさか、部下の中里愛美だったなんて……。



 職場で彼女の言葉を耳にした時の衝撃と動揺がよみがえり、またむせそうになる。

 なんとか咳をこらえていると、祖父に「どうした?」とたずねられた。

「……なんでもない」

 かぶりを振りつつ、呼吸を整える。

 今日も、中里からの相談の紙が入っていた。

 真面目な彼女らしい丁寧な文字を見下ろしながら、職場で聞いた中里の言葉を思い出す。

『店主のおじいさんがひとつひとつ回答を書いてくれるんですけど、その言葉が温かくてすごく勇気づけられて……』