「そういえば。いつも来る母娘が、色鉛筆に気付いてよろこんでいたよ。よかったな」
祖父の言葉に、動揺してまたむせそうになる。
「よかったって。別に俺はその母娘をよろこばそうと思ったわけじゃ……」
取り繕うように言うと、祖父が「うれしいくせに、素直じゃない」とにやにやしながら俺を見た。
色鉛筆を掲示板の前に置いたのは、たまたま立ち寄った書店でうさぎのケースに入った色鉛筆を見つけ、気まぐれで買ってみただけだ。
決して、特定の誰かのために用意したわけではない。
心の中で言い訳しながら、無性に落ち着かない気持ちになる。
紙の束を確認すると、カラフルな一枚の紙が目に留まった。
さっそく俺が用意した色鉛筆を使って、描いてくれたんだろう。ニコニコと笑ううさぎと猫がこちらを見上げていた。
祖父から掲示板の回答を押し付けられたのは、数カ月前のこと。
個人商店を営み続ける祖父に、『さっさと店を畳んでマンションでも建てたほうが合理的だ』とアドバイスをすると、『お前はなにもわかっていない』とあきれ顔をされ、なぜかこの掲示板に寄せられる悩みに回答するよう指示された。
祖父の言葉に、動揺してまたむせそうになる。
「よかったって。別に俺はその母娘をよろこばそうと思ったわけじゃ……」
取り繕うように言うと、祖父が「うれしいくせに、素直じゃない」とにやにやしながら俺を見た。
色鉛筆を掲示板の前に置いたのは、たまたま立ち寄った書店でうさぎのケースに入った色鉛筆を見つけ、気まぐれで買ってみただけだ。
決して、特定の誰かのために用意したわけではない。
心の中で言い訳しながら、無性に落ち着かない気持ちになる。
紙の束を確認すると、カラフルな一枚の紙が目に留まった。
さっそく俺が用意した色鉛筆を使って、描いてくれたんだろう。ニコニコと笑ううさぎと猫がこちらを見上げていた。
祖父から掲示板の回答を押し付けられたのは、数カ月前のこと。
個人商店を営み続ける祖父に、『さっさと店を畳んでマンションでも建てたほうが合理的だ』とアドバイスをすると、『お前はなにもわかっていない』とあきれ顔をされ、なぜかこの掲示板に寄せられる悩みに回答するよう指示された。



