バツイチだけど恋をしてもいいですか

 そう言って私を見下ろしたのは、神崎課長だった。

「す、すみません……」

 潤んだ目もとを見られたくなくて、慌ててうつむき顔を隠す。そして頭を下げ足早にその場をあとにした。




 一日の仕事を終え、重い足取りで保育園へ向かう。

 疲れ切っていたけれど、「ママ!」とうれしそうに駆け寄ってくる花音を見て、心が癒される気がした。

 花音が私を見上げながら「きょうもおじいちゃんのスーパーいく?」とたずねる。花音は小さなスーパーがすっかり気に入ったようだ。

「行きたい?」
「うん!」
「じゃあ行こうか」

 笑顔でうなずきスーパーに向かう。店に入るとおじいさんが「いらっしゃい」と出迎えてくれた。

 小さなお店だから、日中はパートの店員さんがいるけれど、夜はおじいさんひとりで営業しているらしい。

「今日も掲示板書いていいですか?」

 お買い物をすませたあとにたずねると、おじいさんは「もちろん」と笑顔でうなずく。

 花音はうれしそうに絵を描き始め、その姿を眺めながら私もペンを持った。