バツイチだけど恋をしてもいいですか

「気にする必要はないよ。むしろ君のおかげでシングルファザーにも理解があるいい上司だって取引先から言われてるんだから。これからも娘さんを優先してくれ」
「まじっすか。じゃあ、遠慮せずに甘えちゃいますね」
「それにしても、娘さんは沢辺さんに育ててもらえて幸せですよね~。無責任な中里さんに引き取られたら、間違いなく不幸になってましたよ」

 西野さんの言葉を聞いた瞬間、屈辱で体が熱くなった。

 なにも知らないくせに、勝手なことを言わないで! 私は花音を幸せにするために、毎日こんなに頑張ってるんだから……っ!

 なにもしていないくせに〝いいパパ〟と褒められる駿介と、必死に子育てと仕事を頑張っているのに〝わがままで身勝手な女〟と陰口を叩かれる私。

 私の苦労や頑張りを、誰もわかってくれない。怒りと悔しさで胸がいっぱいになり、まぶたが熱くなる。

 親権を私が持つことができれば、こんな思いをせずにすんだのに……。

 涙をこらえながらきびすを返すと、背の高い男性とぶつかりそうになった。

「きゃ」と短く声をもらす。バランスを崩しかけた私の肩を、大きな手が支えてくれた。

「大丈夫か」