バツイチだけど恋をしてもいいですか

「な、なにか変ですか……っ?」

 そう言いながら、手でお弁当を隠す。

 花音のついでに作っているせいで、私のお弁当にはカラフルなおかずが詰まっていた。

 タコさんのウインナーに、かわいいピックがささったミートボール。お花の型でくりぬいたニンジン。ブロッコリーのチーズグラタンが入ったシリコンカップはうさぎ柄。

 三十代女性のお弁当としては、不自然なかわいらしさだ。

 焦る私とは対照的に、課長は冷静な表情のまま「いや、変ではないが」と語尾を濁す。

 変じゃないなら、なんなんですか……っ!

 そうたずねたいけれど、余計なことを聞いて墓穴を掘るわけにはいかない。気まずい沈黙が流れ焦っていると、課長が口を開いた。

「ただ、非合理的だと思っただけだ」

 無駄を嫌う課長らしい言葉に、「すみません」と頭を下げる。

「どうして謝る」
「だって、非合理的だって……」
「別に責めたわけじゃない。朝から手の込んだ弁当を作るなんて、大変だろうと思っただけだ」

 そう言われ、肩から力が抜ける。彼はただ純粋に疑問を抱いただけのようだ。