3優しい返事 愛美side
「ママ、はれだよ!」
花音の元気な声で目を覚ました。
カーテンは花音が開けたんだろう。部屋中に明るい日差しが差し込んでいた。
窓ガラスの向こうには、昨夜の雨が嘘のようなすっきりと晴れ渡った空。
「本当だ。晴れてるね」
さっそくベランダに出て、洗い直したバスタオルやタオルケットを干す。今日は気持ちよく乾いてくれそうだ。
玄関にはシンプルなビニール傘が立て掛けてあった。昨日、スーパーで店主のおじいさんが貸してくれたものだ。
「スーパーのおじいさんに傘を返して、それから靴下を買いに行こうか」
私の提案に花音が「うん!」とうなずいた。
朝食を食べてから、手をつないでスーパーへと向かう。
スーパーはアパートから歩いてすぐの場所にあった。
こんなに近いのに今まで気付かなかったなんて。
昨日は雨に気を取られ、いつもとは違う道を通ったお陰で、偶然見つけられたようだ。
「おや、いらっしゃい」
店内に入ると、今日もおじいさんが出迎えてくれた。
「昨日は傘をありがとうございました」



