バツイチだけど恋をしてもいいですか

 落ち込んでいると、花音がレジの近くで足を止めた。壁を指さし、「これ、かきたい」と私を見る。

「なに?」

 そこにあったのは、はがきサイズの紙が貼られた掲示板。掲示板の前のテーブルにはペンや用紙、書いた紙を入れるための箱が設置されていた。

「お客さんからのご意見コーナーなのかな……」

 つぶやきながらそこに貼られた紙を見た私は、思わずくすっと笑ってしまった。

 お店への要望や苦情が並んでいるのかと思ったら、書かれていたのは近所のお年寄りからの雑談のような内容ばかり。

【このお店のやきいもがおいしくて、毎日のように食べてしまいます】

【お庭のコスモスのつぼみを見て、秋の気配を感じました。暑さにうんざりしていたはずなのに、夏が終わるのはさみしいですね】

【初孫が妻にばかり懐き、私のことは怖がります。妻に負けてくやしいです】

 そんなほのぼのとした内容ひとつひとつに、丁寧な返答が書かれていた。