バツイチだけど恋をしてもいいですか

 無邪気にそう言い、手を伸ばす。そのかわいい笑顔を見て、自然と表情が緩んだ。

「あぁ。おいで」

 課長は優しく笑うと、花音の体を抱き上げた。

 軽々と抱っこされた花音は「えへへ」とうれしそうに笑い、課長の首に抱き着く。安心しきったその表情には、課長への信頼があふれていた。

 ふたりの姿を見て、涙が込み上げてきそうになる。

 思わず鼻を小さくすすると、課長がこちらを見て笑った。花音を抱っこしたまま、もう片方の腕を私へ伸ばす。

「おいで」

 その言葉にうなずいて彼に近づくと、そっと背中に手が回った。大切なものを守るように、優しく抱きしめてくれる頼もしい腕。

 この人と一緒にいられることが、本当に幸せだと思った。そして、できるならこれからも……。

「課長」

 小さく呼びかけると、課長は「ん?」と優しく私を見下ろした。

「これからも、私たちと一緒にいてくれますか……?」

 緊張しながらたずねる。課長は少し驚いたように目を見開いてから、すぐにふわりと表情を緩めた。

「あぁ。どんなことがあっても、ずっとそばにいる」

 迷いなくうなずいた彼を見て、愛おしさがこみあげる。