バツイチだけど恋をしてもいいですか

「そんなことは気にしなくていい。止まないようなら傘を貸すよ」

 温かい言葉に、「ありがとうございます」と頭を下げた。

 建物や棚は古びているけれど、手書きの値札や段ボールのまま陳列された商品から、アットホームな雰囲気が伝わってくる。

 商品は、その日のうちに売り切れる量だけ仕入れているんだろう。棚に並んでいる品数は少ないけれど、閉店間際だからかどれも値下げのシールが貼られていた。

「わ。いつものお店で買うよりお得かもしれない」

 思わずそうつぶやくと、花音に声をかけられた。

「ママ、おかしかっていい?」

 花音が持っていたのは、カラフルなキャラクターが描かれた、かわいらしいお菓子。

 いいよ、と言いかけたけれど、値札を見て言葉に詰まった。

 キャラクターのキーホルダー付きのラムネ。小さなラムネひと粒しか入っていないのに五百円もする。

 保育園の延長料金のことが頭をよぎり返事に困っていると、花音は「……やっぱりいらない」と言ってお菓子の箱を棚に戻した。

 幼い娘に気を使わせてしまった。私がもっとしっかりした母親だったら、こんな我慢をさせずにすんだのに……。