バツイチだけど恋をしてもいいですか

 花音の説明を聞いて、小さく息をのむ。課長が描いた好きな物は、私に関わるものばかりだった。

 そして、紙の真ん中には、小さな花音を挟んで、ふたりの大人が手をつないでいる絵が描かれていた。

「このママのえね、かんざきさんがかいたんだよ」

 そこに描かれていたのは、手が妙に長いし、髪は数本の線だし、足の関節がおかしい、不格好な女性の絵だった。とてもうまいとは言えないけれど、そこに描かれた私は、幸せそうに笑っていた。

「ママのことすきだからって、いっしょうけんめいかいてたよ」

 その言葉を聞いて、目の奥が熱くなる。

「ママも、かんざきさんのこと、すき?」

 純粋な問いかけに、鼓動が速くなった。

 今まで母親だから恋をしちゃいけないだとか、バツイチの私が相手にされるわけがないとか、言い訳を見つけて自分の気持ちを誤魔化してきた。

 だけど、本当はずっと前から、私の答えは決まっていた。

「ママは……」

 私が口を開きかけた時、ピンポーンとインターホンの音が響いた。

 びくりと肩が跳ねる。花音と顔を見合わせてから、私はゆっくりと立ち上がった。