バツイチだけど恋をしてもいいですか


17三人で歩む未来 愛美side

 アパートに帰り玄関を閉めた瞬間、私はその場にへたり込んだ。

「私、なんで逃げ出しちゃったんだろう……」

 課長の顔をまともに見ることができず、話の途中で背を向けてしまった。彼は理由を説明しようとしていたのに、ひどいことをした。

 自己嫌悪に襲われながら、「まさか、いつも掲示板で悩みを相談していた相手が、神崎課長だったなんて……っ」とつぶやく。

 今になって冷静に考えてみれば、美しい文字や几帳面さが伝わる文章は、おおらかなおじいさんよりも、神崎課長が書いていると言われたほうがしっくりくる。

 まったく気付けなかった自分の鈍感さに、大きく息を吐き出した。

 弱いところや情けないところを全部さらけ出し、受け止めてもらっていた相手が、よりにもよって神崎課長だったなんて……。

 恥ずかしさで頭を抱えながら、穴があったら入りたい!と心の中で叫ぶ。

「ママ、どうしたの?」

 不思議そうに声をかけられ顔を上げると、花音がこちらを見ていた。

「ごめん。ちょっとびっくりしたことがあって……」