バツイチだけど恋をしてもいいですか

 後悔が込み上げ、体が重く感じた。しばらくその場から動けなかった。

 きっと中里は俺に失望したに違いない。裏切られたと思ったかもしれない。

 彼女が誰にも言えずに掲示板に吐き出した悩みを盗み見ながら、素知らぬ顔で中里に接し続けていたんだ。卑怯でずるい男だと思われて当然だ。

 自己嫌悪に襲われながら、今までの中里とのやりとりを思い出す。

 最初はただ、孤独な相談者を不憫だと思った。誰にも頼れずひとりで耐え続ける彼女の悩みを読むうちに、放っておけなくなった。顔も名前も知らない他人のはずなのに、理不尽な状況に憤り、気付けば少しでも彼女の力になりたいと願うようになった。

 いつしか彼女からの相談を待つことが、楽しみになっていた。

 彼女の心が少しでも軽くなるように、何度も返答を書き直しながら、必死に言葉を選んだ。

 掲示板に相談を書いていたのが中里だと知った時には、彼女の存在が俺の中でかけがえのないほど大きなものになっていた。

 中里の笑顔が見たい。彼女を守りたい。幸せにしたい。できるなら抱きしめて、俺だけのものにしてしまいたい。