バツイチだけど恋をしてもいいですか

 不格好な猫を見て、花音ちゃんが笑顔になった。

「かんざきさん、ねこちゃんすきだもんね」
「あぁ。小さな頃、猫を飼いたかったが多忙な両親には言いだせなかったんだ。そのかわり、通学途中で見かける野良猫と仲良くなろうと努力していた」
「なかよくなれた?」
「いや。俺の表情が怖かったのか、まったく懐いてくれなかった」

 そんな子ども時代を思い出しながら手を動かす。

「かのんもペットかいたいけど、ママをこまらせたくないから、がまんしてる」
「そうか。優しいな、花音ちゃんは」

 そう言って頭をなでると、花音ちゃんは「えへへ」と笑った。その笑顔に、胸が詰まる。

 お絵描きの次は折り紙。そのあとは引き出しの奥から見つけたかるた。ふたりで過ごす時間は、あっという間だった。

 ピンポーンとインターホンが鳴る音がした。

 買い物を終えた中里が帰ってきたんだろう。立ち上がり、彼女を出迎える。

「おかえり」

 ドアを開けると、両手に荷物を持った中里が立っていた。

「お待たせしてすみません。課長、本当にありがとうございました」
「必要な物は買えたか?」
「はい。ゆっくりお買い物できました」