バツイチだけど恋をしてもいいですか

 彼女が自然と俺の気持ちを受け入れてくれるまで待つのが、男としての誠実さなんだと自分に言い聞かせ、日々を過ごしている。

 そのもどかしい時間さえ、愛おしく感じていた。





 休日に祖父に呼び出されスーパーに向かうと、「かんざきさんっ!」とかわいらしい声がした。

 俺を見つけた花音ちゃんが駆け寄ってくる。

 ここのところ、沢辺の件や月末の処理で忙しく、なかなか店に顔を出せなかったから、花音ちゃんと会うのはひさしぶりだった。

「元気そうだな」

 俺が頬を緩めると、花音ちゃんは「うん! げんきだよ」と笑顔で首を縦に振る。

 そしてその後ろには、中里の姿があった。

「お疲れ様です」

 少し照れくさそうに挨拶をされ、平静を装いながら「あぁ」とうなずく。

 一見すると、今までと変わらないやりとり。けれど中里のはにかむような表情や紅潮した頬を見て、愛おしさが込み上げた。

 心地よくて落ち着かない沈黙が流れ、やっぱり好きだなと思う。

 そんな俺の手を花音ちゃんが掴んだ。

「かんざきさん、あそぼうっ!」