バツイチだけど恋をしてもいいですか

 そしてキッチンに移動し、炊き立てのご飯をふたつのお弁当箱に詰めた。冷ましている間に作るのは、少し甘めの玉子焼き。

 綺麗に焼けた玉子焼きを斜めにカットし、ハート型になるように花音のお弁当に、あまった切れ端は自分用。

 今日もおいしく食べてくれますように。

 そんな願いを込めながら、お弁当におかずを詰めていく。あとはふたを開けたまま、粗熱が取れるのを待てばいい。

 花音が起きる前に身支度をすませようと、洗面所に移動して鏡をのぞく。

 ショートボブだった髪は、いつの間にか肩につく長さまで伸びていた。

 もう半年も美容室に行ってない。

「そろそろ切りに行かなきゃなぁ……」

 なんて思いつつ、自分のことはついつい後回しにしてしまう。

 三十二歳、バツイチシングルマザーの私には、時間やお金を自分に使う余裕がない。

 こまめに美容室に通っていた頃を懐かしく思いながら、手早くメイクをし髪をひとつにまとめる。

 朝食の準備をすませお味噌汁をお椀についでいると、寝室にしている和室の引き戸が開き、花音が起きてきた。

「ママ、おはよう……」