バツイチだけど恋をしてもいいですか

 相変わらず飄々とした笑顔で出迎えた祖父に、「最近、店に中里は来ているか?」とたずねる。

「ここ数日は来てないねぇ。ちょっと前までは、毎日のように来てくれていたのに」
「そうか……」

 俺が黙り込むと、居合わせた常連客が「いつも娘さんを連れて店に来る、お母さんのことかい?」と話に入ってきた。

「最近、掲示板にあの子のかわいい絵が飾られてないと思ってたんだ」

 そう言いながら、掲示板を見上げる。

「いつも楽しみにしてたんだけど、さみしいねぇ」
「……さみしい」

 口に出して繰り返すと、その言葉がじわりと胸に染み込んでいった。

 そして、俺はさみしいんだと自覚する。

 中里と花音ちゃんに会えないことが、さみしくてたまらなかった。

 それだけじゃなく、中里に避けられていることが。頼ってもらえないことが。笑顔を見られないことが。一番そばにいられないことが。彼女と花音ちゃんを幸せにせする権利を持っていないことが。

 そんな自分の欲深さに驚きながら、俺は彼女の家族になりたいんだと気付いた。






 翌日。中里から「少しお時間よろしいでしょうか」と声をかけられた。