14なにがあっても守りたい人 神崎side
社内にある休憩スペース。自動販売機でコーヒーを買っていると、「亘一」と声をかけられた。やって来たのは、スーツ姿の大吾。
俺が手にしたコーヒーのカップを見て「おごってくれんの?」と笑顔を作る。
「ホットでいいか?」
「やった。冷たいのがいい」
コーヒーが抽出されるのを待ちながら、「呼び出して悪い」と謝った。
「いいよ。西野さんのこと聞きたいんだろ?」
相変わらず勘のいい大吾に「あぁ」とうなずく。
「中里さんとの騒動のあと、西野さんには誤解をまねくような言動は控えるように言ったんだけど、思いっきり不満そうな顔をしてたね」
「反省の色はなしか」
「反省するどころか、被害者面して沢辺に泣きついてたよ。『私は心配して声をかけてあげただけなのに、中里さんも中村さんもひどい』って」
中里から聞いた話だと、今までも何度か同じようなトラブルがあり、そのたびに沢辺は西野を庇っていたという。
一番の味方であるはずの夫に信頼してもらえなかった中里は、深く傷ついただろう。それでも彼女はひとりで耐え続けてきた。



