バツイチだけど恋をしてもいいですか

 駿介は目をらんらんとさせながら私を責め立てる。自分の主張が正義だと信じて疑わない彼を見て、話が通じる相手じゃないと思い知った。

 どんなに正論を言っても、彼には一切届かない。絶望感と恐怖が込み上げ、呼吸が浅くなる。

 息苦しさを感じながら、冷たい指先を握りしめた。

 駿介は隠し撮りした写真を私に見せながら言う。

「不倫の噂が広がったら、あの男がどうなるか考えてみろよ。相手はただの社員じゃなく、弁護士資格を持つ法務部の課長だぞ。誰より誠実でいなきゃいけない立場の男が不倫なんて。会社に居られなくなるどころか、次の仕事を見つけることすら苦労するかもな」

 その言葉に、背筋が冷たくなった。

 このままじゃ、神崎課長の人生をめちゃくちゃにしてしまう。

 有能で誠実で誰より優しいあの人が、私のせいですべてを失うことになったら……。

「お、お願いだから、神崎課長を陥れるようなことはやめて」

 震える声で懇願する私を見て、駿介が小さく笑った。