バツイチだけど恋をしてもいいですか

「法務部の課長が、部下と不倫していたなんて噂が広まれば、あの男は信頼も立場もすべて失うぞ」
「そんなの、根も葉もない噂だって、きちんと否定すれば……」
「ばーか。噂なんて、流したもん勝ちなんだよ。お前が俺と離婚した時みたいに」

 その言葉に「え?」と目を見開く。

「まさか、あの噂を流したのは駿介だったの……?」

 私の問いかけに、駿介は愉快そうに笑った。

 悪意のある噂のせいで、周囲から誤解され、悔しい思いをたくさんしてきた。反論もできずひとりで耐え続けてきた日々は、とても孤独でつらかった。

 その苦しみの発端が、駿介だったなんて……。

 彼のことが理解できず、震える声で問う。

「どうして、そこまでして私に嫌がらせをするの?」
「お前が出産した途端、俺をないがしろにしたからだろ」
「ないがしろって……」
「妻と母親を両立できない自分が悪いくせに、俺に離婚を切り出すなんてありえないだろ。お前のせいで、どれだけ俺のプライドが傷ついたと思ってるんだよ!」