バツイチだけど恋をしてもいいですか

 なにも説明していないのに真実を言い当てられ、「え……?」と驚きの声がもれた。

「中里の真面目さや誠実さは、俺が一番わかっている。君が理由もなく後輩を怒鳴るわけがない」

 その言葉は、力強かった。

 ほかの誰に疑われようが、この人は私を信じてくれる。そのことがとてもうれしくて、涙がこぼれそうになる。

「根拠のない噂が広がらないよう対処する。中村も西野に軽率な言動は控えるよう注意しているはずだ」
「……ありがとうございます」

 私が頭を下げると、ゆっくりと課長は息を吐き出した。

「俺が君より西野の言葉を信じると思ったのか?」

 問いかけに「……はい」とうなずく。そんな私を、神崎課長はまっすぐに私を見つめた。

「もっと俺を信用してくれ。なにがあっても俺は君の味方だ」

 彼の頼もしさに、目もとが熱くなる。どうしよう。お礼を言わなきゃいけないのに、言葉がでてこない。

「ママ?」

 黙り込んでいると、花音が心配するように私を見上げていた。

「ごめん。大丈夫だよ」

 潤んだ目もとを隠しながら、必死に笑顔を作る。

「すみません。最近涙もろくて。……年ですかね」