バツイチだけど恋をしてもいいですか


 私が説明しようと口を開くと、西野さんは「中里さん、怖い……!」と怯えたように中村さんの影に隠れた。

 そんな態度を取られると、反論したくてもなにも言えなくなってしまう。

 周囲にいた人たちが、なにごとかとこちらに視線を向けるのがわかった。顔を寄せ合い、ひそひそとなにかを話している。

 ちゃんと説明しないと、誤解される。そう思うのに、喉が詰まって言葉が出てこない。

 私がぎゅっと手のひらを握りしめた時、中村さんが口を開いた。

「これ以上ここにいても、無駄に注目を集めるだけだから、行こう」

 中村さんはシクシク泣く西野さんをなだめるようにそう言った。

「……はい」

 うなずいた彼女と一緒に歩きだす。そして私の横を通り過ぎる瞬間に、「亘一には、俺から話しておくから」と言った。

「え……」

 思わず顔を上げたけれど、中村さんはそれ以上なにも話さずに、西野さんと一緒にエレベーターに乗り込む。

 残された私は、ただその場に立ち尽くすしかなかった。

 胸の奥がずきずきと痛む。tお 営業部にいた頃も、同じようなことがあった。