バツイチだけど恋をしてもいいですか

 感情にまかせてそう叫びそうになり、なんとか言葉を飲み込んだ。反論したところで、西野さんにわかってもらえるはずがない。

 必死に気持ちを落ち着かせながら、「離して」と静かに言い西野さんの腕をほどく。

 すると彼女の表情が、一瞬にして変わった。

「ひどい……!」

 突然大きな声を出され、私は「え」と目を瞬かせる。

「中里さん、そんなに怒らなくてもいいじゃないですかっ」

 西野さんは大袈裟に声を震わせながら、私を見つめた。その瞳はみるみるうちに潤んでいく。

「怒ってなんて……」

 困惑しながら言葉を探していると、「どうしたの?」と声をかけられた。振り返ると、中村さんが立っていた。

 西野さんは中村さんの顔を見た途端、ポロポロと涙をこぼし始める。

「私、中里さんが離婚してひとりで大変だろうなって心配して声をかけてあげたのに、乱暴に腕を払われて関係ないって怒鳴られたんです……っ」

 ひっくひっくと肩を震わせながら、中村さんにそう訴える。

「心配して声をかけてあげた……ね」

 中村さんは冷静な表情で、西野さんの言葉を繰り返した。

「あの、私は怒鳴ったわけじゃなくて」