バツイチだけど恋をしてもいいですか



13信じてもらえない恐怖 愛美side


 週が明けた月曜日。駅を出て会社へ向かっていた私は、少し前をほかの部署の女性社員たちが歩いているのに気付いた。

「法務部の神崎課長って、最近かっこよくなったと思わない?」

 そんな会話が聞こえてきて、思わず足が止まりそうになる。

「それ、私も思ってた。前は近寄りがたくて怖かったけど、なんか雰囲気変わったよね」
「そうそう。視線や表情が柔らかくなったっていうか、包容力を感じるっていうか……」
「なんか、男の色気が出てきた」
「わかるー!」

 聞くつもりはないのに耳が勝手に会話を拾ってしまい、頬が熱くなっていく。

 彼女たちの会話は、会社の中に入っても続いていた。エレベーターホールに向かいながら、「神崎課長って、恋人いるのかなぁ」と楽しそうに話をする。

「どうなんだろ。浮いた話聞かないよね」
「でも私、神崎課長が弁護士を辞めたのって、女性が原因だって聞いたことある」

 予想外の内容に顔を上げると、女性達も驚きの声を上げた。

「え、本当に?」
「あの神崎課長が女性が理由で仕事を辞めるなんて、意外なんだけど」