バツイチだけど恋をしてもいいですか

 しばらくして、料理ができあがった。昔ながらのオムライスに、花音が大好きなベーコン入りのポテトサラダ。玉ねぎたっぷりのオニオンスープ。

 本当にこんな料理でいいんだろうか。緊張しながらローテーブルに並べると、課長が感心したように息をもらした。

「おいしそうだな」
「本当ですか?」
「あぁ。写真を撮ってもいいか?」

 スマホを取り出しながら問われ、「いいですけど」とうなずく。

「中村さんには見せないでくださいね」
「どうして」
「恥ずかしいからです!」
「わかった。あいつには見せないし、秘密にする」

 そう言いスマホを構える課長の横顔は、どこか楽し気だった。

「かんざきさん。ケチャップかけてあげる!」
「あぁ。ありがとう」

 花音はケチャップのボトルを持つと、真剣な顔で課長のオムライスに向かい合う。

 完成したのは、ケチャップで描かれたうさぎの絵。

「上手だな」

 神崎課長が感心したようにオムライスを見下ろす。

「花音ちゃんはうさぎが好きなんだもんな」
「なんでしってるの?」
「あ……いや」

 一瞬だけ、課長の表情が固まったように見えた。