バツイチだけど恋をしてもいいですか

 母娘ふたり暮らしの小さな部屋にあるのは、角が丸いローテーブルや、テレビボード。床にはクッションフロアが敷いてあり、棚には花音のおもちゃや本が並んでいる。

「中里らしい部屋だな」
「物がたくさんあって、ごちゃごちゃしてますよね」
「いや。温かみがあって、落ち着く」

 そう言う彼の眼差しが優しくて、また鼓動が速くなる。

「じゃあ、私は料理をしてきますね」

 逃げるようにキッチンへ向かった。そして冷蔵庫の前でひとりになると、はぁーっと大きく息を吐き出した。

 なんでだろう。好きだと言ったのは課長のほうなのに、私ばっかり動揺してる。

 落ち着かない気持ちのまま、エプロンをつけオムライスの準備を始めた。

 鶏もも肉、たまねぎ、ピーマン、マッシュルームを炒め、フライパンの端にケチャップを入れる。酸味と水分を飛ばすようにしっかりと火を通してから、ご飯を入れて混ぜ合わせれば、シンプルなチキンライスができあがる。

 上に乗せる玉子は、牛乳とお砂糖を入れ少し甘めの味付けにするのが、花音のお気に入りだ。

 慣れた手順でオムライスを作っているうちに、気持ちが落ち着いてくる。