バツイチだけど恋をしてもいいですか

 それから私に視線を向けて、少しだけ黙り込んだ。

「……髪、切ったんだな」

 そう言われ、思わず自分の髪に触れる。

「そ、そうなんです。昨日、美容室に行って……。子どもも連れていけるお店なので、花音も前髪を切ってもらったんです」

 緊張のせいか、聞かれていないことまでぺらぺらと説明してしまう。

「かのんも、きってもらったの!」

 課長は足もとでぴょんぴょんと飛び跳ねる花音を見下ろし、「よかったな」とうなずいた。

「少し揃えただけなのに、よく気付きましたね」

 女性の髪やメイクには無頓着なタイプかと思ったのに……。意外に思ってつぶやくと、課長の視線がこちらに向けられる。

「普段は気付かないが、君だから気付いた」

 当然のことのようにさらりと言われ、一瞬言葉を失った。動揺で固まる私を、課長が不思議そうに見る。

「どうした」
「ど、どうもしないですっ」
「ママ。かお、まっかだよ。おねつ?」
「だ、大丈夫! 元気だからっ」

 なんでもないふりをしようとしたけれど、頬はどんどん熱くなる。

 課長は靴を脱ぎリビングに入ってくると、興味深そうに部屋を見渡した。