バツイチだけど恋をしてもいいですか

 私がそう切り出すと、「お詫びなんて必要ない」ときっぱりと言われてしまった。

「必要ありますよ。たくさんご迷惑をかけてしまいましたし」
「迷惑だとは思ってない」
「でも、なにかしないと気がすまないです」

 どちらも譲らずしばらくそんな言い合いを続けたあと、根負けした課長が息を吐き出した。

「それなら、三人で食事をしたい」
「三人で食事ですか?」
「迷惑でないなら」
「わかりました。ぜひご馳走させてください。なにか食べたいものありますか?」

 大人同士なら、飲みに行ったりするんだろうけど、花音が一緒となると時間も店も限られる。

 私が考えていると、課長が「中里の手料理がいい」と言った。

「手料理?」
「あぁ。水族館の時に弁当を作ってもらえたのが、うれしかったんだ」

 課長の表情が柔らかくて、胸のあたりがむずむずする。

「でも……、手料理となると、外では無理ですよね」
「中里の自宅に行くのはだめか?」
「え! うちですか!?」
「俺を部屋に入れるのが嫌なら、うちでもいい」
「嫌ではないんですけどっ」
「じゃあ、中里の自宅でいいか?」