バツイチだけど恋をしてもいいですか

 残された私は、告白してきたはずなのに返事も求めず去っていく、課長のあまりにあっさりした態度に、混乱して頭がショートするかと思った。

 熱のせいもあってそのまま布団に倒れ込む。自分でも驚くほど深く眠り、翌朝目が覚めた時には、すっかり熱が引いていた。

 あの『好き』という言葉は、いったいなんだったんだろう……。

 二日たった今でも、課長の真意がわからず、動揺したままだった。





 お昼休みになり、私はいつも通り自分のデスクでお弁当を広げた。

 課長がどういうつもりで『好き』と言ったのかはわからない。

 でもひとつ確かなことは、私には恋愛する余裕なんてないということだ。

 誰かを好きになれば、おしゃれをしたり、美容に気を使ったりしたくなる。恋人ができれば一緒にいたいと思うだろうし、デートだってしたくなる。

 だけど、そんな時間があるなら、花音になにかしてあげたい。一緒に遊んだり、絵本を読んだり、お出掛けしたり。

 私は女である前に、四歳の娘を育てる母親なんだから。

 そう思いながらも、心のどこかに迷いがあるのは、さみしさのせいだ。