バツイチだけど恋をしてもいいですか

「むしろ君は、ひとりで抱え込まず、もっと周りに頼るべきだ。花音ちゃんもすごく心配してたぞ」

 その言葉に花音を見る。

「花音……、ごめんね」
「ううん! かのん、ママがねてるあいだ、おりこうにしてたよ!」

 胸を張る花音の横で、おじいさんが目もとを緩ませうなずいた。

「あぁ。花音ちゃんはずっとお利口だったよ」
「ほらな。だから君はもっと肩の力を抜いて、俺たちを頼ってくれていい」

 その温かい言葉に、張り詰めていた糸がほどけた。目の奥が熱くなり、おさえきれない涙があふれてくる。

 私が声を詰まらせると、おじいさんがさりげなく花音に話しかけた。

「花音ちゃん、こっちでお手伝いしてくれるかい? 明日スーパーで配るチラシを折りたいんだ」
「うん!」

 花音は元気にうなずいて、おじいさんと一緒に部屋を出て行く。引き戸が閉められ、課長とふたりきりになった。

 こんなふうに泣いたら、課長を困らせてしまう。そうわかっているのに、涙は止められなかった。

「すみませ……」

 しゃくりあげながら謝ると、課長がこちらに手を伸ばした。大きな手が、そっと私の髪に触れる。