バツイチだけど恋をしてもいいですか

 そんな関係が長続きするわけがなく、どの女性も数カ月で俺のもとを去っていった。別れを告げられてもさみしさも不便も感じなかった俺は、恋人を引き止めるどころか、理由をたずねることすらしなかった。

 そんなことを繰り返し、自分はそれなりに恋愛経験があると思っていたが……。

「そうか。これが恋愛感情なのか」

 新鮮な驚きとともにつぶやくと、「気付くの遅すぎだろ」と大吾があきれた顔をした。




 大吾と別れ、法務部のフロアに戻った俺は、通常の業務を再開する。

 集中して仕事をしながらも、無意識に中里を目で追っている自分に気付き、苦笑した。

 パソコンに向かう横顔。書類を運ぶ姿。同僚たちと話す時の柔らかい表情。どれも見慣れているはずなのに、彼女への好意を自覚したせいなのか、すべてが新鮮に映る。

 恋愛とは、こんなにも浮足立つものなのか。世間はつねに愛や恋についての話題で尽きないわけだと納得する。

 定時が近づいた頃、中里の様子がおかしいことに気付いた。

 頬が赤く、どこかぼんやりしているようだ。

「中里さん。この書類揃えてくれる?」
「わかりました」