六人で出掛けようという提案に、中里は曖昧な反応を見せた。あれは本当に遠慮していたのか、それとも遠回しに断わろうとしたのか……。
感情の機微に疎い俺にはその判断がつかなくて、腕を組み小さくうなる。
「それにしても、亘一が前に言ってた気になる女性って、中里さんのことだったんだな。三人で水族館に行くなんて、順調じゃん」
にやにやと笑う大吾に、俺は周囲を見回した。幸い休憩スペースにいるのは、俺たちふたりだけだった。
「大吾、そのことは社内では伏せておいてほしい」
「なんで?」
「訳あって、中里は花音ちゃんを育てていることを隠している」
彼女の事情をかいつまんで話すと、大吾は顔をしかめる。
「沢辺の奴、最低だな。父親としても男としてもありえない」
「すぐにでも会社に報告して沢辺の面の皮をはいでやりたいところだが、中里は花音ちゃんと引き離されることをなにより恐れてる」
「親権は沢辺が持ってるんだっけ」
「あぁ。だから、言い逃れできないように証拠を揃えて、中里が安心して娘を育てられる環境を整えられるまで、もう少し様子を見ようと思う」
感情の機微に疎い俺にはその判断がつかなくて、腕を組み小さくうなる。
「それにしても、亘一が前に言ってた気になる女性って、中里さんのことだったんだな。三人で水族館に行くなんて、順調じゃん」
にやにやと笑う大吾に、俺は周囲を見回した。幸い休憩スペースにいるのは、俺たちふたりだけだった。
「大吾、そのことは社内では伏せておいてほしい」
「なんで?」
「訳あって、中里は花音ちゃんを育てていることを隠している」
彼女の事情をかいつまんで話すと、大吾は顔をしかめる。
「沢辺の奴、最低だな。父親としても男としてもありえない」
「すぐにでも会社に報告して沢辺の面の皮をはいでやりたいところだが、中里は花音ちゃんと引き離されることをなにより恐れてる」
「親権は沢辺が持ってるんだっけ」
「あぁ。だから、言い逃れできないように証拠を揃えて、中里が安心して娘を育てられる環境を整えられるまで、もう少し様子を見ようと思う」



