バツイチだけど恋をしてもいいですか

「え。次があるんですか?」

 まるで大吾から誘われたかのように言ったけれど、提案したのは俺からだった。

 大吾たち家族が一緒なら、また中里と花音ちゃんと会う理由ができる。そんな本心を隠しながらうなずく。

「花音ちゃんがよろこぶ場所があれば教えてほしい。動物園でもいいし、子ども向けのテーマパークでもいいし」
「そんな、申し訳ないです」

 首を横に振った彼女に、「どうして」とたずねる。

「だって、課長には甘えて迷惑をかけてばかりで。今日も丸一日付き合わせてしまったし……」
「俺は、楽しかった」

 言葉を遮るようにそう言うと、中里が「え?」とこちらを見た。

「今日一日、一緒に過ごせてうれしかった」

 花音ちゃんがはしゃぐ姿。中里がうれしそうに笑う顔。俺のために作ってくれたカラフルな弁当。どれも思い出すだけで、胸が温かくなる。

 俺にとってはすべてが初めてで、言葉にできない感情が生まれた一日だった。

 ほかの誰と来ても、こんな時間は過ごせなかった。中里の隣にいられたから、こんなにもかけがえのない一日になった。