バツイチだけど恋をしてもいいですか

 もやもやした気持ちを持て余していると、中里が笑顔で口を開いた。

「今日の思い出は、花音にとって一生の宝物になると思います。本当にありがとうございました」

 自分と過ごした時間を、宝物だと言ってもらえるなんて……。胸を締め付けられるような、満たされるような、落ち着かない気持ちになる。

 その動揺を誤魔化すために、違う話題を口にした。

「そういえば、さっき大吾に弁当の写真を送ったら、うらやましがってた」

 俺がそう言うと、中里は「えっ!」と驚いた顔でこちらを見た。

「本当に送ったんですか……!?」
「おいしかったと自慢しておいた」

 実際中里が作った弁当は、とてもおいしかった。ゴマや大葉を混ぜ込んだいなりずしも、少し甘めの玉子焼きも、手作りのミートボールも全部。

 いつもサプリや栄養補助食品で、必要な栄養素は過不足なく取っているはずなのに、それとは違う大切なもので体が満たされたような気がした。

「大したものは作ってないのに」

 俺の言葉を聞いて、中里は恥ずかしそうに眉を下げた。

「大吾にまた六人でどこかに出掛けようと誘われたが、どう思う?」