バツイチだけど恋をしてもいいですか

 保冷バッグに入ったお弁当を取り出す様子を、神崎課長がじっと見つめる。期待の目を向けられ、なんだか不安になってくる。

「あの、言っておきますけど、ものすごく普通のお弁当ですよ」

 そう前置きしてふたを開いた。

 中に入っているのは、おにぎりといなりずし。玉子焼き、アスパラのベーコン巻き、からあげやエビフライ、ポテトなどの揚げ物。ミートボール、タコさんのウインナー。ブロッコリーやミニトマト、型でくりぬいたニンジンといったいろどりのいい野菜や、ぶどうやさくらんぼなどの食べやすいフルーツ。

 花音もよろこんでくれるように、かわいいピックやカラフルなカップを使った、手作り感満載のお弁当。

 以前『弁当を作ってもらった記憶がない』ともらした課長は、どこかさみしそうに見えた。だから、少しでもよろこんでもらえたらと思って作ったんだけど……。

 課長の表情をうかがうと、私が作ったお弁当を真顔で見下ろし微動だにせずにいた。

 あぁ……。やっぱり迷惑がられているかも。

 私が後悔していると、課長がこちらに視線を向けた。

「写真を撮っていいか」