バツイチだけど恋をしてもいいですか

「水族館に来たのは課長のおじいさんからの提案で、課長は渋々車を出してくれただけですからっ」

 私の勢いに、中村さんは「そうなの?」ときょとんとした顔をする。

「そうなんですっ。私と課長は上司と部下というだけで、それ以上の関係は一切ありませんから!」

 貴重な休日を潰して水族館に付き合わせてしまった上に、私との仲を勘繰られるなんて、課長にとっては迷惑でしかないだろう。

 なんとしても誤解を解かなければと必死に事情を説明していると、中村さんが哀れむような視線を課長に向けた。

「亘一……。なんか、ごめん」

 中村さんから謎の謝罪をされた課長は、無言のまま顔をしかめる。苦虫を噛み潰したかのような、なんとも言えない顔をしていた。

「ま、頑張れよ」
「余計なお世話だ」

 そんなやりとりをするふたりの横で、花音と蓮くんは仲良く手をつなぎ、楽しそうに水槽を見上げていた。





 花音と蓮くんのうれしそうな様子に、しばらく一緒に行動させてもらうことにした。