バツイチだけど恋をしてもいいですか

「あ、かのんちゃん!」

 その言葉に、隣にいた花音が振り返り、ぱぁっと顔を輝かせた。

「れんくんっ!」

 そこには、保育園で仲良しの蓮くんと、そのお母さんが立っていた。花音はうれしそうに蓮くんのところへ駆けていく。

 ふたりは偶然会えたことによろこび、手をつないで飛び跳ねていた。

 課長に「保育園のお友達なんです」と説明してから、花音のあとを追いかける。

「こんにちは。偶然ですね」
「本当ですね。まさかばったり会うなんて」

 蓮くんのお母さんに挨拶をすると、彼女の視線が私の後ろにいる課長へと向けられた。

「あれ。一緒にいるのって、もしかして……」

 不思議に思い振り返ると、神崎課長も驚いた顔で蓮くんのお母さんを見ていた。

「え、ふたりはお知り合いなんですか?」
「はい。主人のお友達で……」

 蓮くんのお母さんがそう言った時、「おーい」と聞き覚えのある明るい声が響いた。

「ジュース買ってきたぞ」

 蓮くんのお父さんらしき男性が、両手にジュースを持ってやってくる。そして、私たちに気付くと、驚いた様子で足を止めた。