バツイチだけど恋をしてもいいですか

「そ、そんなことないです!」

 祖父の言葉に、中里は慌てて首を横に振った。

 思わず「そんなことないのか?」と聞き返す。

「ただ、せっかくの休日に、水族館に付き合わせるなんて、迷惑でしょうからっ」
「迷惑じゃない」

 気付けばそう即答していた。

「ほ、本当ですか? でも」
「かのん、ドライブして、すいぞくかんいきたいっ!」

 期待のこもった視線を向けられ、花音ちゃんの前にしゃがみ込む。

「花音ちゃんは、ドライブが好きなのか?」
「うんっ!」

 力いっぱいうなずいた花音ちゃんの隣で、中里が申し訳なさそうに説明する。

「うちは車がないので、ドライブに憧れてるみたいで……」
「そうなのか」

 俺は車はあるが、ここしばらく遠出なんてしていなかった。休日に一緒に出掛ける相手もいないしもう必要ないと思っていたが、こんなところで役に立つなんて。手放さなくてよかった。

「それなら、次の休みにでも行くか」
「やったぁ!」

 俺の提案に花音ちゃんは両手を上げてよろこび、中里はまだ不安そうな顔で「本当にいいんですか?」と確認する。

「あぁ。迷惑でなければ一緒に行かせてくれ」