バツイチだけど恋をしてもいいですか

『生まれたばかりの娘を優先するのは当然でしょう?』と言っても、『それを両立するのが妻の役目だろ』と聞いてくれなかった。

 育休を終えて仕事に復帰してからも、駿介は家事も子育ても一切手伝ってくれなかった。それどころか気分の上がり下がりが激しくなり、仕事で気にくわないことがあると、家の中で当たり散らすようになった。

 それでも簡単に離婚するわけにはいかないと必死に我慢してきた。けれど、言葉が話せるようになってきた花音にも不機嫌な態度で接する彼を見て、もう無理だと思った。

 精神的に耐え切れなくなり、駿介に離婚を切り出したのは半年前。

 もちろん花音は私が引き取るものだと思っていたのに、なぜか駿介は親権は自分のものだと主張した。

 女手ひとつで育ててくれた母が五年前に亡くなり頼れる人がいない私と、近くに住む両親にいつでも協力を仰げる駿介。そして収入の差や精神状態の不安定さを指摘され、私は親権を得ることができなかった。

 その時の悔しさを思い出し、ぎゅっと奥歯を噛みしめる。

「なんだよ、その不満そうな顔は」

 私がうつむいていると、駿介が大きく息を吐き出した。