バツイチだけど恋をしてもいいですか

「そうか。あのスーパーには掲示板なんてあったのか」

 横目で私の様子を見ながら、ひとり言のようにつぶやく。

「俺は掲示板の存在すら知らなかったし、そもそも他人の悩みや相談ごとには興味がない。念のため言っておくが、これからも一切読む気はない」

 やけに強い口調で言い切った課長に、私は胸をなでおろす。

「そうですよね。仕事人間の鬼課長が、わざわざ見ず知らずの人の相談ごとを読むはずがないですよね」

 私が頬を緩めると、逆に課長の顔が険しくなった。

「……仕事人間の鬼課長ね」

 静かな視線を向けられ、失言したことに気付く。

「す、すみませんっ。今のはつい気が緩んで……っ」

 慌てて頭を下げた時、「お、亘一」と親し気に課長を呼ぶ声が聞こえてきた。

 廊下の向こうから歩いてきたのは、中村大吾さんだった。以前、営業部で一緒に働いていたことがある、とても気さくで優しい先輩だ。

「あれ、中里さんもいる。ふたりで飯でも食ってたの?」

 軽い調子で声をかけてきた中村さんに、神崎課長が真面目なトーンで「面談をしていただけだ」と説明する。

「なんだぁ」